「九条さん、俺のメアドどこで知ったの?」

「え…」

彼女は俯き加減になり、バツの悪そうな顔をする。

言わなくてもわかる。

大方、俺の友人か誰かから聞き出したのだろう。

他人のメアドや電話番号を簡単に教える俺の友人も友人だけど、本人以外から聞き出そうとする彼女の神経も少々疑うものがある。

「その分だと、電話番号も聞き出してるんだろ?」

「……」

俺の言葉に、彼女は無言のまま。

呆れて物も言えない。

俺はクルリと踵を返した。

「俺、常識ない人は嫌いなんだよね」