俺は困惑して、しばし沈黙を貫く。

何というか…。

告白されたのは嬉しい。

高校に入学して二年目。

女の子に告白されたのなんて初めての事だ。

九条は容姿だって悪くない。

特徴がないというのは、裏を返せばケチのつけようもないという事だ。

あくまで外見は。

「あの…九条さんだっけ?」

俺はポケットの中から携帯を取り出した。

それを彼女の前で操作して、ある一通のメールを見せる。

『今日の放課後、体育館裏で待っています。九条奈那子』

文面自体は何の問題もない、呼び出しのメール。

だが問題は、このメールが俺の携帯に届いた事にあった。