堕胎するなら少しでも早く分かった方がいいはずだと思ってはいてもなかなか勇気が出ないみたい。
長距離走大会本番も、授業での練習と同じように私たちはスローペースで走ることにした。
大会も終わったという事で、学校が休みになると奈津の家の近所の婦人科の病院に行く話になった。
いざ病院の前まで行っても婦人科には縁がない学生からしたら、なにもなくても恐ろしく感じてしまった。
「…入る…?」
「…入らないと、とは思うんだけど…やっぱ怖いな…。折角ついてきてもらってて悪いけど、やっぱり簡易検査薬使ってみるよ。」
「ほんとに買わなきゃだめだよ?そろそろ、もし本当に妊娠してたら本気でやばい時期じゃない?」

