どれくらいの時間がすぎたかな?




しばらくすると電車のりばが見えてきた。
そこには若い青年が、悲しそうにうつむきながら立っていた。

ぼくは、その駅で電車を停めた。


青年はうつむいたまま電車に乗ってきた。




ぼくは何にも言わずまた電車を走らせていた。
その青年は泣いているみたいだ。
ぼくは話した
「君の降りる駅は赤い星です。君はやさしい人だ。きっと赤い星にいけば心が温まります。」


するとその青年は少し表情が和らいだ。
そしてこっちを向いて微笑んだ。