約束〜不確かな未来〜

缶コーヒーを机の上に置くと、私は

「ふぅ〜っ」

と溜息をついた。



(お茶でいいのになぁ…)


鞄の中のペットボトルのお茶を

チラリと恨めしく覗き見てから

視線をまた海へとずらした。




私は落ち着かなかった。


帰るタイミングをどうしようか…

そんなことばかり気にしていた。



「あれ?飲んでないんですか?
ぬるくなっちゃいますよ?」


男が笑いながら近付いてくる。

手には同じ缶コーヒーを持って…



男の笑った目は

弧を描くように緩やかにカーブして斜め下へと続き

一本の線のようだった。



憎めない笑顔、日焼けした肌

筋肉で引き締まった体


(健康的だわ…)


私はさりげなく男を観察しながら笑顔を返すと

缶コーヒーを手に取った。