「あたし、待つよ?
勇樹を信じて待つよ…」


「時間かかるよ?」


「大丈夫!こんな目に遭わせちゃったし…頑張ろ?」

「いいよ、そんなことより美凪は?
足、大丈夫なのか?」


歩く時、痛くて足を引きずっていたのを知っていたのだろう…


「あたしなら大丈夫だよぉ!勇樹の方が心配」





「……美凪?」


視線を落とし、勇樹が静かに言った。


「ん?」


「…俺……ちゃんと言えなくて…ごめんな」



私には解っていた。

勇樹が何に対して謝っているかを…


「言わないで…」


「ホント情けねーよなぁ……幸せにするって言えなくて…」


「だから、言わないで!
…解ってるから」


私は耳を塞いでしまいたかった。


渇きかけた涙がまた零れそうで

私は足を引きずりながら、新しいタオルを取りに行った。