《ドリカム》


何となくこの名前が気に止まり

私はそのドリカム号に近づき、ぐるりと目を一周させた。



勿論船内は鍵がかけられているだろう。

プラスチックのような、半透明な板に遮られ、中に入ることはできないけれど

デッキに上がることは出来る。


紺色のラインとそれより薄いラインが2本

後部にピンク色のハイビスカスが描かれていたデザインも

私の心をくすぐった。



少し心配で、私は辺りの様子を窺い

誰も咎める人のいないのを確認すると

踏み台を使い、デッキへと足を踏み入れた。



ちょっぴりドキドキしながら

それでも何故かワクワクした気分にもなり

私はまた煙草を取り出して火をつけた。