ガードレールに腰を掛け、煙草を吸い終わると

頭に乗せていたサングラスを下ろし、私は歩き始めた。



ガードレールに沿って歩いて行くと

途中でガードレールが途切れ

フェンスのような入口があった。


そこから桟橋のようなものが続いており

その両脇に規則正しくヨットが並んでいる。



私は恐る恐る、フェンスに手をかけた。


軽く引っ張ってみると、フェンスは簡単に開き

私そのまま桟橋に降りた。


大きさも若干違う。

そして船体のデザインもまちまちで

それぞれに思いを託した名前が付けられていた。



端から順に、ゆっくりと見て回る。


《そうま》

《なみかぜ 3》

《ソワール》

《太田丸》



《ちどり》





真ん中位まで来た時、私は一隻のヨットの前で足を止めた。