約束〜不確かな未来〜

パールホワイトのマニキュアを全体に塗り

その上から透明のオーロラのパールを重ね

爪の生え際寄りにランダムにラインストーンを配置

そして、薬指だけには3Dの白い花を飾ってある……





「お洒落なんですね」


男は私の手を取り、自分の方へ寄せながら言った。



恥ずかしさと照れ臭さに

心臓の鼓動が早まる…



自分も同じように手を見た。


薬指にはめられた、ダイヤのリングが眩しく光る……


その輝きとは裏腹に

今、私達の想いは輝きを失いつつある。


ふと現実が脳裏を霞め

私は目を逸らし、手を素早く引っ込めた。



「あっ!ごめんなさい!

僕、手、触っちゃって……」

慌てたように男は言う。



「いえ…違うんです。
あんまり近くで見られたら、下手くそがバレちゃう!」


私は口に軽く手を当てて笑った。