翌日、バスケ部や他の部活のことを頭の隅に起きながらも気づいたら給食の時間になっていた。


給食当番の私は放課後の事が気になっていたのか、ボンヤリして給食室に忘れ物をしてしまった。


「あ、私取りに行ってくるから、あとお願いできる?」


申し訳なさそうにパートナーの子に言うと、「いいよ。」と笑顔で言ってくれる。


ほっとして、小走りに給食室へ向かう途中だった。


外は準備で他の生徒がたくさん歩いている。私は自然と小走りからスピードを落とす。


すると、


「ねぇ、ちょっといいかな?」


いきなり後ろからかけられた声。


私…か?疑問符をつけたまま振り返ってみる。


「ねぇ、あなた一年生よね?」


「はい…?」

知らない人。ですよね?


「私、三年の國吉 聡美(クニヨシ サトミ)っていいます。」


「はい…」

なぜ自己紹介を?私もすべき?


いや私が忘れてるだけか?


戸惑った表情をしてたのだろう。彼女は優しい口調で話しかけてくる。


やっぱり私に話しかけてる!ヤバい!相手は先輩だぞ!(たぶん)思い出せ~!

焦った私は次の言葉で目が点になった。


「私、あなたと交換日記をしたいんだけど?」


「?」
日記?


ピヨピヨ


なぜ?


私があなたと?


てゆーか誰?


私、変な人に絡まれてる?←失礼。


あーゆーハングリー?


私が固まって相手を見つめているので、違う事を聞いてきた。


「あの?交換日記ってわかる?」


「え?交換日記?はい!知ってます!知ってます!」


はっ!私がおかしい奴だと思われてる?しっかりせねば!


「そう?じゃあ私と交換日記をして欲しいんだけど、いいかな?」


「私と…ですか?」


「そう。」


だからなぜに?

と思ってもいかにも上下関係の厳しい中学では先輩にそんなこと聞けない。


なんか面倒くさくなってきた…。


「いいです、よ…。」


「あ~良かった!じゃあ、私がはじめに日記書いて来るから、名前とクラス教えてもらえる!?」