中体連当日。
「じゃあ、行くよー。せーのっ!」
5人がかりで持った大太鼓が地面から浮く。
全ての楽器を4階から体育館へと運ぶのだ。自分達だけで。
「わっ!ちょっと待って!この体勢危ないかも、一回下ろそう」
大太鼓は最初1年生も混じって持ったが、コツがわからないのと体格が小さいので2年と3年だけで持っている。
楽器は高価だし、手や足を滑らせれば大変なケガをするだろうことは容易に想像できる。
大太鼓コエ~!
あの巨体を支えて階段を斜めに下っていくのは辛いだけじゃなく恐怖を伴う。
はじめ、それを知らず持とうとしたが、その重みで体勢を崩しそうになった。
下には階段、上には大太鼓。
死の恐怖を感じる私。(脚色有り)
「楓ちゃん変わるから。」
「…はい、すいません。」
私にはまだ無理みたいです。
先輩頑張れ~。みな心配そうに見守る。少しでも手伝いたいが、下手な手だしは余計、危険である。



