吹いて奏でて楽しみましょう



が、
翌朝。


チュンチュン、

小鳥達の声とまぶたに差すやわらかく淡い朝の光。


 それと…何人かの囁き声?


目を開けて天井を見る。


あ、合宿だったんだ。


むくっと起き上がると髪をなでつけながら周りを見る。


まだ寝ている人と起きて小声で話してる人。

たぶんまだ寝ている人達に気を使ってるんだろう。

 でも何話してるんだろ?


「おはよう。」
とりあえず近くの子に挨拶をする。


「おはよう。あ、楓は手足なんともない?」


「手足?タオルケット枕にしてたから、ちょっと冷えるけど…?」


「違う違う、あ、やっぱり!刺されてる!」


私の方に近寄った子達はそう言った。


刺されてる?


私は自分の手のひら、次に甲を見た。


「な!?」


大声を出しそうな私に「シー」とジェスチャーをする友人。


なんじゃこりゃー!?

ジャージから出ている手足には無数の赤い点が病気のようについていた。