先生の指揮棒と共に音が流れる。


一つや二つじゃない、無数の音、音。


しかも、みんな違う楽器で、違う音で、違うリズムを奏でているのに…


すごい… これが合奏なんだ。


全ての違う音が違うリズムが一つの完全な曲を作って、圧倒的な迫力を出している。


 まるで飲み込まれそうだ。


鳥肌が立ちそうな圧倒感が落ち着くと、琴子が私をつつく、


チラッと見ると先輩の指使いが見えた。


滑らかで無駄のない動き…


カッコイい!!


すごい!私もこんなふうに吹けるようになるの?


私達は二人で見とれていた。