「あ~あ銀賞か。」


そう、銀賞なのだ。
いたって普通~なのだ。
他の賞ならともかく、泣くほどだろうか?


「銅賞じゃないだけ良かったじゃん。あれだけの出来映えで。」

「私は銅賞決まったと思ったよ。」

「うん、まぁ銀賞でもすごいよね。前と違って課題曲もあったし。」

「もしかしたらもうちょっとで金賞だったかも?」

「え~ないない、銅賞に近い銀賞でしょ。お情けかもよ。」

「え~、そんな悲しいこと言わないでよ。お情けとか。」

「お情けはないんじゃない?一応大会だし。」


この調子だ。
すごくドライである。


「九州大会に行く学校の演奏聴きたかったな。」

「楽器片付けで時間とったね。」

「演奏順が2校連続で九州選抜ってびっくりした。」

「私も。あ~でもいいな~九州。憧れる。」

「最近は全国まで行かないらしいよ。」

「全国とか夢だね。」

「昔の先輩はすごいよね~。怪物。」


そりゃみんな金賞を取りたかった気持ちはある。

しかし、銅賞も覚悟してたのでひとまずそれを逃れてホッとしたのが大きい。