吹いて奏でて楽しみましょう


「今日も音合わせ長かったね~」

放課後、3年が廊下でたむろする。

「私、3年なっても音合わせだけはわからない。」

「私も…なんとなくわかるかわからないか、だな。」

みんなも同じらしい。

「てか、たまに先生もわかってなくね?って思う時あるんだけど。」

「あ~。あみちゃんによく確認するもんね。」

あみちゃんは初めフルートに入り、半年もしないうちにトロンボーンに移された、現在2年生の子だ。

一緒に入った子と2人、または、1年の頃からの部活仲間と4人でよくいる。

私達の次に古株だ。

「それにしても、あみちゃん音感いいよね~。」

「試験の成績もいいんでしょ?」

「それはもう一人のほうじゃない?」

「あ、そうなんだ。」

「でもしっかりしてるし、次の部長候補として先生は見てるみたい。」

茜の発言にみな驚く。

「へ~、そうなんだ。」

「え、クラリネットの由樹ちゃんじゃないの?」

「由樹ちゃんもしっかりしてる感じだしね。」

「う~ん、部長はあみちゃんだはず。たぶんあの4人を中心に副とか書記とか楽譜係りとか色々決めるんじゃない?」

「それって私達が決めるの?」

「セクションリーダーとか、合奏の指揮とか、色々あるよね。」

「あの先生だし、先生が決めるんじゃない?
うちらもそうだったし。」

「前の3年が決めたやつなくなってたしね。」

前の3年とは、聡美先輩達のことである。

「香奈恵先輩達もほとんど休部状態だったし。」

まあ、去年の異常状態じゃあ仕方ない。

「楽でいいんじゃない?」

「一応意見は聞かれるだろうけど。」