シンとなる。
声を荒げたわけではない。
ただいつも一緒になって笑ってた私が、笑み一つ漏らさず、いつもは言わないだろうセリフを言った。
いつまでも、これではいけないと思ったから。
「もう一度。」
「楓怖い!」
「え?」
恵の言葉にキョトンとする。
「何で?」
思わぬ所からの感想。
「今の怖かった。」
「そう?だって大会も近いのにこれじゃあまずいでしょ?」
弛んでるのを締めるのが先輩の責任でしょ?
それが同じ先輩の恵に言われちゃ、困る。
「あ、もう私自分とこ戻るわ。じゃあ頑張ってね~。」
恵は笑いながら戻っていった。
厳しかった?
それ以降も恵に私が意外と練習では怖いと、話のネタにされた。
「厳しく叱ったうちにも入らないと思うけど。」
私は反論を試みる。
これについては、他の三年も賛否両論だった。
私が一年の頃の先輩て、もっと怖かったし、厳しかった気がするけど。
厳しくするところ間違えた?う~ん。
なんだかよくわからなくなった。
後輩への指導は難しい。



