吹いて奏でて楽しみましょう


その後、少し時期外れの教育実習生が来た。

ホルン専門のひょろっとした男の人。
他の楽団で指揮もやっているということで、先生は実習の間、この教育実習生に私達を任せた。

「今日から教育実習で来た久高(クダカ)先生だ。
明日から合奏を主に色々手伝ってもらおうと思う。

じゃあ久高先生、今日は見学ということで。」

合奏練習に入る前に紹介された久高先生は、見学のためにイスに座って私たちの演奏を聴いていた。






「教育実習生の先生て、ついこの前みんな実習終わってったよね?
楓達の所にも来てたでしょ?」

「うん。」


私のクラスに来た女性の先生は、中体連でピッコロを演奏している私を見て、意外だったようで、驚いた様子で「楓ちゃんカッコイいカッコイい!」と、誉めてくれた。

たぶん、いつもボ~っとしている私が、セッティングで後輩に指示だしたり、比較的テキパキ働いてたのが意外だったんだろう。
その後に楽器を構えた私に先生は近づいて、色々話してきたのだ。

でもあんなに手放しで誉められるのはめったにないので嬉しかった。


「そして、最後は一人一人に写真つきの手紙をくれたよ。」

「へ~、一人一人に?すごいね。」

「楓のは何て書かれてたの?」

「色々、演奏良かったとか…」

他にも先生は自分の名前が好きで、その意味を書いた後、私の名前も誉めてくれていた。

‘自分はこの名前のように強く生きていきたいの’

そんな言葉に本当に好きなんだなぁと思った。

私も自分の名前は気に入っているので、共感できた。