「じゃあ、なるべく基本的なことを中心に教えます。」
「よろしくお願いします。
ん?お前達もう疲れたのか?」
二人が帰ってきた。
私達は確かに気疲れしていたらしい。
だが、地面に座っているのは、休憩と言われたからだ。
レッスンが再開された。
「まずは持ち方からね。
フルートは唇の下、左手の人差し指の付け根、右手の親指、この3点で支えるのが基本。
さぁ、やってみて。」
へ~初めて知った。
やってみると、不安定で、大事な楽器を落としてしまわないか不安になったが、すぐに出来るようになった。
「さすが、3年生ね。じゃあ、一足先に姿勢も教えましょう。
左足を少し出して重心をかけるの。かけすぎはだめよ。
フルートは平行に。うん、様になってきた。」
誉められながらも、今までは何だったのか思うと、少し泣きたくなる。
「次は腹筋ね。みんな痩せてるけど…」
私以外はね!
「じゃあ、あなたから。壁に背中をつけて。」
ああ、あれか。
指名されたのは、洋子ちゃん。
されるがままに背中をつける。
「私が、お腹を押し付けるから、息を吐いて、合図したら息を吸いながら腹筋で押し返して。
いい?」
「え?え?」
洋子ちゃんが戸惑っているのを見て、渡嘉敷先生が見本を見せた。
「わかった?こういうふうに押し返すの。」
洋子ちゃんの手を自分のお腹につけて、腹筋の動きを確認させているようだ。
「はい、じゃあやってみよう。
そうそう、息吐いてよ…はい、押し返して!まだまだできるはず!」
「なんか…難しい。」
洋子ちゃんに続いてみんな苦戦している。
「お、楓さんはなかなかね。うん、これぐらいできるといいかな?」
後輩の後だからだろうか、腹筋に自信のない私は意外に思いつつ、ホッとした。



