吹いて奏でて楽しみましょう


それは当然気になるところだ。

「え?え?私、上手くなんか…」

比奈ちゃんはさっきとは一転、戸惑いを見せる。

 本人には自覚ないのかな?

「だってさ、最初の頃から比べたら、よく吹けるようになったと思わない?」

「…はい少し、は…」

「指を変えてもブレスしないで息が続くようになってるよね。それって大きな変化だよ。
腹筋とか家でしてたの?」

比奈ちゃんはう~んと考えて、

「はい、一応少しは。前よりは減ったけど…」

「他には!?」

「え~と…よくわかりません。」

「貴子ちゃんの教え方が良かったのかな?」

「え!?私ですか?」

「はい確かに、貴子はよく教えてくれて、助けてくれました。」

「そうなんだ。」

「いえ!私は比奈から聞かれたことに答えたり、楓先輩から習ったことしか教えてないし。」

「へ?」

 ふ~ん?なんかあるはずなんだけどな~?

謎は深まるばかり。

「そっか、でも良かった。これからもその意気でね。」

「はい。」

 これからも、か。

 そういえば、彼女は熱心によく練習していたと思う。

フルートは他の子も結構真面目だが。

普通あんなに楽器が使いこなせないなら、つまらなくて嫌になるだろうに。

彼女の黙々とやっている姿が印象的だ。


 結局は彼女の努力の賜物なのか?

 だとしたら。

私は、努力の持つ圧倒的な力と可能性を見たことになる。

 すごいんだな~。努力の力って。

-努力に勝る天才なし-

 たしかに…。
昔の人は良く言ったもんだ。

彼女が成し遂げた成果に感心しつつ、改めて練習の重要性を後輩達に学んだ。