「お疲れ様!結構評判良かったみたいだぞ。」

「本当!?」

楽器を運んだ後の集合。

先生の言葉に安堵し、みんなと笑みを交わす。

演奏終了後はやっぱり、もう一度やりたいような、でもあれでよかったって気持ちもあったり。

「は~緊張した~。」
「私ミスっちゃった~。」

後輩達の高揚した声が聞こえる。

 昔の私達と同じ会話してる。

そう思ったらくっと笑いそうになった。

「私も私も!あ~もう一回やりた~い。」
「うそ!私はもういや~」
「私も、もう一度やりたいような気がする。」

「でもちょっと楽しかった。」
「うん、また来年も来ようね!」

 来年か~。

後輩達の会話は昔の私達よりはかわいらしいというか、青春してる感じだ。


「残って見たい人は、残って見ていいって。
帰り急ぐ人で、車がない子は学校車で先に送るから前に来て。」

部長が先生に引き継いで、指示を出す。

 私達は、今年で最後ということもあり、少し残って聴いていくことにした。


~♪

「うちら意外にも歌謡曲やってる学校あったんだね。」

私がしおりを見ながら言う。

「うん、結構あるね。良かったうちだけじゃなくて。」

「それでも、歌謡曲を2曲やったのはうちらだけだけど。」

~♪

「この学校の曲いいな。かっこいい。え~と…」

恵がそう言いながらしおりに目を通す。

「あ、この曲演奏してる所結構多いね。」
「人気あるんだ。」
「大会曲はどうするの?」
「先生が決めるのかな?」
「もし、決められるならこれがいいな~。」
「掛け合ってみる?」
「そうしよう!また変な曲だったら嫌だ。」
「つーか、何が何でも押し通す!」

恵がいつにもまして熱い。