吹いて奏でて楽しみましょう


「楓はとっくに誰かと手紙やってるかと思ってた。」

帰り道、まだ話は続いている。

「なんで?」

莉奈の言葉に首をひねる。

「だって、部長と日記やってたし。いっぱいプレゼントもらってたじゃん。」

「でもあれは聡美先輩から誘われただけだし…」

「そっか。で?やらないの?後輩と。」

「う~ん、私も自分から誘うのは恥ずかしいかな?」

 字、下手だし…。
3年になって気づいたが、私はどうもそういうデザインのセンスはないらしい。

 あれは、本当に聡美先輩が上手かったんだな。


「そりゃそうだけど、もったいないよ。最後だし。」

 う~む。でも、私とやる後輩は不憫な気がする。
 誰だって、自慢できる先輩とやりたいだろうし。

「ま、考えてみる。」

そういう所は、臆病な私だった。

 フルートの子だとなんか近い気がするしな~。かといって、他の子はよく知らないし。

そうこうしてるうちに、結局、手紙はやらないことになる。


 それよりも、鶴!
やっぱり、フルートの子達は直属の後輩だし、ちょっと大きめであげよう。5個とかにして…



自宅。

「は~疲れた~。」

思いの他、早くできたが、まだラッピングが残っている。

「え~と、前のが残ってたはず…」

「あんた、明日は演奏会じゃないの?早く寝ないと。」

ガサゴソやってると、母からそんな言葉がかかってくる。

「…ムリ。」

そりゃあ、私だって早く寝たいよ~!