吹いて奏でて楽しみましょう


「あの!先輩。これ受け取って下さい。」

後輩達がぱたぱたとやってきては、ラッピングされた鶴やシュウマイ(折り紙)をみんなに渡す。

「ありがとう!わ~かわいいね。私もあるから待ってて。」

「あ、私も。」

 ヤバい。

「わ~ありがとうございます!」

「うん。明日がんばろうね!」

「はい!」

次から次に後輩達がやってくる。


「楓、大丈夫だよ。」
「そうだよ。今回は吹奏楽祭だし。大会じゃないし。」

「うちら、1年の時って吹奏楽祭の前もやったっけ?大会前は覚えてるけど。」

真弓達から慰めの言葉がかかる。

「なんなら、私の分けようか?」

 いや、それはちょっと…違う気がする。

「でも、後輩からもらってるし、ちょっとヤバいかもね。」

 うっ!

「私、今日徹夜して、もらった子の分とフルートの子の鶴折るよ。一人2個ぐらいしかできないけど。」

「あんまり、無理しないでね。」

「用意してない子もいるみたいだしね。」

「楓だけじゃなくて良かったね。」

「うん…。」

微妙な励ましに頷きながら、ぼ~っと、その光景を眺めるしかなかった。