吹奏楽祭前日。
「よし!まーこんなもんで大丈夫だろう。」
最後の合奏終了後、先生はそう言ってOKサインとした。
「…それは何?」
私は恵の紙袋を見る。
あることを思い出しかけながら。
「みんなにあげる鶴だよ。」
!!やっぱりー!
「忘れてた~。」
「え!?家に忘れたの!?」
それならまだいい。
ふるふると首を振る私。
「もしかして…作って、ない…とか?」
恵のおそるおそるの言葉に私は悲しい顔を上げる。
「どうしよう…。」
私の言葉に恵はひきつり、茜達が集まってきた。
「どうしたの?」
恵が今のやりとりを話す。
「え~!?楓が忘れてるなんて意外!」
それはどういう…?
「実は、私も最近思い出して急いで作ったよ。」
茜が言ってる間に、部員の願掛け鶴交換が始まった。
願掛けって言っても大会ではないので、失敗しないようにとか、がんばろうとかいう意味の軽いものではあるのだが。



