吹いて奏でて楽しみましょう


それから一週間は合奏三昧だ。

「楓、そこはメゾフォルテなんだから、もうちょっと抑えろ。一人飛び出してるぞ。」
「はい。」

注意されたのは最初の部分だ。

が、いくらやってもうまくいかない。

「楓、吹くなと言ってるわけじゃないぞ。」

「…」

 それは自分でもわかるけど…だって、音が高くて抑えて吹くと音がでないんだよ~。


ピッコロになってからよく注意される。やはり目立つんだろう。


他の楽器もそれ以上に何度も繰り返したり、いたるところで注意されている。


特にメロディーラインを吹くクラリネットやサックスは大変だ。


打楽器はリズムの正確さが追求されるし、田中君でさえ、何度も注意されていた。


金管も生半可な音の出し方では即やり直しされるし、少しでも音がズレると目立つ。


注意されるばかりではない。

ティンパニーの高低、新しい楽器のいい音の出し方、どうしたら効果的なのか先生自身も試行錯誤する。


自然と合奏以外の先輩の指導も力が入る。

みんなが手探りの中、熱は高くなっていく。