私たちが、座席やチューニングでばたばたしていると、先生がやってきた。
「こんにちはー。」
後輩達が挨拶する中、
「先生~このチューナーって、これでいいの?」
「席が決まらないんですけどー。」
困り切った3年が質問の応酬をかける。
「席?あ~、一昨年はどう座ってたんだ?覚えてないのか?」
「うちら一年だったし、微妙に忘れてます。」
「てゆーか、人数増えすぎて入らない。」
「前には無かった楽器も増えたし。」
「わかったわかった。とりあえずでいいから座ってみろ。」
とりあえず、席についた私たちを見て、
「なるほど。
ほとんど合ってるけど、順番に調整していくか。」
と言ってフルートを見た。
「ピッコロはこの位置で当たりだな。ん?貴子は一番端か?ファーストだろ?」
今、貴子ちゃんは私から一番離れた指揮者側にいる。
「はい。一昨年はそこがファーストの位置でしたよ。だって私はセカンドでこの位置だったし。」
「本当か?ピッコロの隣がセカンドって、おかしいだろ~。」
確かにそこは私も引っかかったところだ。
「じゃあ、私の位置がおかしいんですかね?」
首をひねりながら私が言うと、
「いや、普通楽器は高い順から並ぶもんだピッコロはここで合ってる。
フルートは本当にこの並びだったのか?」
「はい。」
それは確信が持てる。
横から先輩の手の動きとかよく見える位置で、尚且つボ~ッとできる所だった。
先生は、う~ん、と少し考え、ファーストをピッコロの隣に変えた。
私の隣には貴子ちゃんが来た。
後で知る所によれば、指揮者によって微妙に楽器位置は変わるものらしい。
その後も、クラリネットやサックス、金管、パーカス、弦バスにいたるまで、先生が納得するように且つ、うまく収まるように位置を変え、ようやく落ちついた。



