吹いて奏でて楽しみましょう


正直私も焦った。

 2曲やるって言ったらどうしようかと思った。

1年生はつい昨日、2曲目に入ったばかりだ。

 私も2曲目はあまり自信ないし…。

とにかく、高い音ばかりの曲で、ピッコロに慣れない私は音量を調節しづらく、バラードというのに、めいっぱい吹いて感じが悪いのだ。

 16分音符も多いし、16分休符の後の入りなんて後輩達には難しいだろうな~。

私でも難しくて構えてしまう。

 リズムに慣れるしかないんだろうけど。


 と、そういえば今日やる曲も休符後の入り大丈夫かな?


フルートは休みが多く、メロディーが少ないため、慣れない曲は数え間違うとどこ吹いてるかわからなくなるし、慌てると変な所で入ってしまう。

 何回か5人で合わせたけど、本当に何回かしか合わせてないしな~。
とりあえず曲を吹けるようにするのに焦ってたし。

 …まぁ、初めだから大目に見て大丈夫だとは思うけど、

初めてだから緊張して上手くできないってこともよくある話だし。



「今日合奏することになったから、5人で合わせよう。」

そう言って、短い練習時間を急ぎの基礎練と合奏に当てた。


 やっぱり不安だ~。

心配してたとおり、出だしでつまずく。ちゃんと拍数かぞえきれてない。

 これが合奏となると余計数えにくいんだよな…。



「楓~。そろそろ合奏の準備するよ。」

茜が知らせに来てくれる。

「あ、はーい。わかった。」


「とにかく、ちゃんと数えて、わからなくなったら、私か貴子ちゃんを見てね。一応、合図は出すけど、あ、でも、基本的には指揮者をみるんだよ!」

「はい。」

「…ここまで言ってなんだけど、今日は初めてだし、怒られることはないだろうから、あまり緊張しなくてもいいよ。」

どうしろと言うのか。
我ながら焦っているのがわかる。

 デビューを控えた子を持つ親の気持ち?

 でも、合奏では合奏の所作がいろいろあるからな~。

 それも教えないといけないけど、こんなにいっぺんに教えて逆効果じゃないだろうか?

「じゃあ、楽器と楽譜、譜面台持って第1音楽室に移動しよう。」