吹いて奏でて楽しみましょう


~♪

 …

案の定、貴子ちゃんの独奏だ。

「うん、今度は貴子ちゃんだけ吹いてみて。私がこれで拍子を取るから合わせてね。」

私は手頃な棒で机を打ってリズムを刻む。

~♪

「ちょっと待ってここの入りは、」

~♪

「ここはスラーがかかってるから、もう少し滑らかに、できれば一息でね。

でもずっとフォルテだからな~。息保つかな~?

くるしかったら、ここで少し息継ぎしてね。」

などなど一通り指導すると、今度は比奈ちゃんを見た。

「じゃあ次は比奈ちゃん…。」

~♪

私の刻むリズムに必死についていこうとしてるようだが、

 かなり遅い。そして相変わらず息が入らないのか、プツプツと切れる…

というか、1音ごとに息継ぎしてる。

スラーどころではない。

 苦しそう…
これじゃあ、一定の速さにもついていけないよな…。

それでも、なんとかリズムはつかめているようだ。ということはわかった。


「比奈ちゃんはとにかく音を伸ばせるようにね。」

「はい。」

「じゃあ、また自主練で。」


と言い残し、再び一年の所に行く。