吹いて奏でて楽しみましょう


楽譜にはA~Hまで区分分けされている。Aはリズム的には難しくない。

メトロノームに合わせて吹き、気になるところを説明して、

「じゃ、また来るから。なんか聞きたいことがあったら、来て。」

と言い残して2年の所に向かった。



 さて、2年生はどうですかいな?と。

「どう?出来てる?」

私が机をよけて後ろから覗く形で声をかけると、貴子ちゃんがびっくりしたように振り向いた。

「あ、楓先輩。びっくりした。」

「え、びっくりした?驚かせるつもりはなかったんだけど?」

なんかやましいことでもしてたんかいな?と勘ぐる。

 まさかね。

「ちょうど良かった。今聞きに行こうかと思ってたんです。」

「お、わからないところがあった?」

「はい」

「どこどこ?」

「ここから先です。」

貴子ちゃんが差したのはBだ。

確かに一見すると、ここからややこしくなるように見える。
 聞けば簡単なんだけどね。

「ここはね、」

と言って吹いてみせる。

「あー!これか!」

貴子ちゃんが頷く。
少し前の流行歌で、前年度もよく吹いたのでわかりやすい。

「でも…この記号は?」

「前の小節を繰り返せってことだよ。」

「なるほど~。」

「他は?」

「あ、今はここまでしかやってなくて…」

「それでつかえてたんだね。

この後もリズム的には難しいかな?

じゃあ、最初から今の所まで二人で吹いてみてくれる?」

「はい。」