それから、何回かは部活に来ていたが、そのままフェイドアウトするように来なくなった。

 あぁ、せめて曲を吹ける楽しみを教えてあげたかったな。

合奏となれば鳥肌がたつほどすごいのに。

それでも不幸中の幸いだったのが、洋子ちゃんが引きずられて辞めなかったことだ。

初めから藍理ちゃんと入ったかのように仲良くやっている。

大人しめの藍理ちゃんと元気な洋子ちゃん。
正直意外だった。

 何はともあれ良かった良かった。


こんな感じで入ってみて辞めたのは佳子ちゃんだけじゃなかった。

どの楽器の担当もみんな一人か二人、そういう子達はいて、私同様「あの子が来ない」「辞めるかもしれない」と少なからず悩んでいた。

そういう時期だった。