「50人いたら楽しそうだよね。」

先生が去った後、莉奈がポツリと言う。

「ま~ね。楽しいだろうね。」

「意外と先生燃えてるよね。」

「うん。いきなり小学校回ったりしたのもね。」

「なんかね。
でも、ちょっと15人は入るかな?と思った。」

「45人に比べればね。」

そうなのだ、先生の根拠があるんだかないんだかわからない、べらぼうな目標人数の発表で、自分達のハードルや期待値も少し上がっている。

あれだけ言うなら、なにかしら根拠はあるんだろう。

 それが実現するかどうかは知らないが。

「とか言って、誰も来ないパターンだったらウケるよね。」

「いや…それは、それでかなり落ち込むでしょ。」


結果は4月!
ドキドキの1ヶ月だ。

私達の吹奏楽最後の年の運命を握る月。