吹いて奏でて楽しみましょう


~♪

ロングトーンにスケール、
何度も注意されたスィングに各ソロパート、
お互いの掛け合い。

いくつも山を超える度に次の山に挑む。

けど気張りすぎず。

堅くならず。


実際、あまり考えてはいなかった。

私達の、今の実力はこれまで。

それが拙くても、今この舞台で、自分の力の分を思いっきり出せたなら、それでいい。



~♪


パチパチパチパチ

 あ、終わった。

落ち着く間もなく楽器と楽譜を持って退場する。

 やっと終わったような、あっという間だったような?


とにかく、舞台袖では騒げないので、外に出るまでは静かにそそくさと退出。


「はぁー、やっと終わったね~!」

「なんかあっという間だった気もする。」

「もう一回吹き直したいような。」

「あ~わかる。大会後って、絶対そうなるよね。」

「私はもういや~。やりたいならどうぞ。」

「やだよ。」


感動よりも緊張からの解放感で4人はどっと疲れたように喋った。


「お疲れー!」

顧問が迎えてくれる。

「先生!どうだった!?」

「うん。なかなか良かったぞ。」

「本当~?」

疑わしげな目でみる。

「本当本当。今日は意外と、良かった!」

「じゃあ、銀賞は取れるかな?」


曲をカットしなかったという不安要素があるので、もしかしたら銅賞かも…という考えは拭えない。


「まぁ、審査発表は最後だから、後はゆっくり他の学校でも見てるといい。
あ、5時には席についておけよ。」

「は~い。」