「伊是名中学校の皆さんですね?」
控え室にて、楽器が重いために一人イスに座っていた私は係員に尋ねられた。
はい。と返事をしたら、一枚の紙を見せられた。
「伊是名中学校さんの譜面台とイスの配置はこうなっていますが、大丈夫でしょうか?」
どうやら配置を確認したいらしい。
「えっと、」
これって私一人でOKしてもいいのか?
「ちょっとすいません。みんなの確認取りますので。」
「はい、いいですよ。」
私の呼びかけで、他の3人が集まる。
「配置?」
「これどうなってるの?」
「これが譜面台で、4台。椅子は右端に1つとなってます。」
「え?椅子は4つじゃないんですか?」
「…そうですね。これでは1つになってますが?」
そういえば、顧問に
「イス無しでもいけるか?」
って聞かれて、私は もちろん
「あった方がいい。」
と答えたんだった。
それがこれ!?
私だけイスに座るとか逆に不自然で恥ずかしいんですけど!!
この場合全員イスに座ると考えるでしょう?
「これでいいです。」
気づいたら茜が答えてた。
「え!?私一人でイスに座るの?」
「え?でもこれ先生が決めたんでしょ?ほら、楓のバリトン足がないし。」
「あの~?決まりましたか?」
係員の人が聞く。他にも仕事があるんだろう。
「はい、これでいいです。」
いまいち納得できないが、しぶしぶ承諾した。
それからの待ち時間は長く、
「では伊是名中学校の皆さん舞台袖に控えて下さい。こっちです。」
と言われた時、少々待ちくたびれたみんなはやっとか。と、思った。
舞台袖、順番に並ぶ。私は先頭だ。
なんかこの大会に関してだけは、私ツいてない気がする…。
今まではしゃいでたみんなも、ここに来て緊張した面持ちになる。
1年の夏以来、久しぶりの舞台だし、今回は頼るべき先輩も先生も無く、すべては4人だけにかかる。
どうなるものか。



