吹いて奏でて楽しみましょう

会場は南城市佐敷(なんじょうしさしき)シュガーホール。



「シュガーホール?」

「砂糖のシュガーじゃないよね?」

会場名を初めて知らされた時の会話。

「ピンポーン♪砂糖のシュガーだ。」

顧問が答える。

「え?なんで?」

「さあ、何ででしょう?」

「砂糖、さとう…」

「まさか、砂糖工場があるとか?」

「まさか~」

「近い!」

「え!?近いの?」

「じゃあ、さとうきび畑があるとか?」

「そう!あたり~。サトウキビ畑に囲まれてるから、シュガーホールってつけたらしい。」

「しょうもな!サトウキビ畑なんてどこにでもあるじゃん。」
「何それ~。本気で?」
「まんまだね。」
「もっと他に何かなかったのかね~?」

「確かにな…。」



そんなシュガーホールは那覇市から車で30分の所にあり、割と近い。


「あ、海だ~。」

なるほど、名の通り周りはサトウキビ畑だが、ホール裏は海になっている。

「お昼はここで食べよう。」

「いいね~♪」

ピクニックか。


会場も比較的新しく、舞台も近代的な感じがする。椅子は堅いが。


私たちの出番は午後なので、早速海際の堤防でお弁当を広げた。


「楓~、弁当あんまり食べてないじゃん?食欲ないの?」

「うん、吹く前に食べるとよく吹けないから、終わってから食べるよ。」

私はよく食べた直後に吹くと気分を悪くすることがあった。

でも、今はあまり正直に言って心配をかけたくない。

 せっかく楽しい雰囲気だし。気を使われてるのも疲れるしな。

しかし、莉奈は私の言葉を勘違いして取ったらしい。

「え~!?なんか先生と同じこと言ってる~。」

「え?何が?」

「ほら、楽器吹く前はあまり食べない人が多いとか言ってたじゃん。
音がどうのこうのって。カッコイい。」

…いや、たぶんその人達の理由とは違う…。

そう思いながら弁当を片付けた。