吹いて奏でて楽しみましょう


次の場面は、怪しすぎて私を落ち込ませた所だ。

 吹くの嫌だな~。

そうもいかないと吹いてみると。

~♪ ぶっ、

「だめだ~笑ってしまう~」

みんな我慢してたんだろう。一人が吹き出したとたん、次々と笑い出す。

「ちょっと!自分でも恥ずかしいんだから、そんなに笑わないでよね!」

私は3人に向かって怒りを露わに言うが、正直自分でも笑ってしまう。

 私、なんちゅーメロディー吹いてんだろ。

「ま、楓の真面目なイメージともギャップがあるか。」

「そうそう。」

 みんなフォローになってないよ…。


その部分は最初に続き、勢いのあるアップテンポで、主旋律を吹くアルトは
ターラタッタッタッタッタッタラーラッ

とタンギングを駆使し、少しカッコイい。

テナーも合間に
タラララタラララタラララタララララー

と指遣いは大変だがスケールを入れてくる。

それに対し、バリトンは
タン、タラッタッタン、タラッタ…
と簡単だが非常に緩めでムーディーなメロディーを奏でなければならない。

 この差は一体…。

「俺はバリトンのこのパートが一番カッコイいと思うんだがな。」

 じゃあ、自分で吹けばいい。

「でも、速さのベースになるから、一定になるように。」

「はい。」

こんな妖しいフレーズでも曲のテンポを左右する重要なパートなのだ。


「では、同じ所から。」

~♪ ぶっ!

また誰かが吹いた。
莉奈がツボにハマったらしい。

「いい加減、慣れろ!」