吹いて奏でて楽しみましょう


曲の始まりは、バリトンのロングトーンにファーストアルトのスケールが乗っかり、更にテナーのロングトーン、セカンドアルトのスケールが乗っかって、最後に4人で同じリズムで決めるというやつだ。

バリトンの休みはほとんど無い。

初めのスケールも大変だろうが、ロングトーンも大変だ。

 息続かないかも。

長いのは息の配分が大事で最初からフォルテはないが。

 でも出だしでしょ?しかも、この曲テンポいいし、いかにも今から張り切って吹きます!って感じの出だしだよ…。

それがp(ピアノ←弱く)でいいのか?

「最初は勢い良く決めていこうな!」

私が悩んでいるところへ、先生がダメ押しした。

「先生、でもそれだと息が続きません。」

私は悩み所を言ってみた。

「うん今でもギリギリ。」

茜と莉奈が同意する。

「腹筋を鍛えろ。とは言っても、確かにキツいか…。
どうしてもダメなら、最悪途中で息継ぎしてもいいから、最初は勢い良くやってほしいな。」

「でも、息継ぎできる所ある?」

「人数が少ないからすぐバレそうだよね。」

「だから、息継ぎの場所は一緒にならないように決めとけよ。
空白ができたら怖いからな。」

みんな頷く。

 息継ぎがあまり目立たないようにロングトーンはピアノでさりげなくしないとな。

「鼻で息を吸いながら吹けるようになればいいんだかな。」

「え!?何それ?」

「プロには多いぞ。」

「先生も出来るの?」

「いや~、ちょっと難しいな。」

「出来る人ってチョー器用だね。」

ぷー、ふー、

「はぁ!難しい。てかムリ!」

みんなやってみるが、吸いながら吐くなんて一体どんな構造なのか?と疑問は深まる。


「あと、最初が肝心だから、最初のスケールは絶対ミスるなよ。」

「…そんなこと言われたら余計間違えそう。」

先生がアルトの2人にさりげなく、プレッシャーを与える。