吹いて奏でて楽しみましょう


第二音楽室。
イスと譜面台を4つ並べる。

「さて、やるか!
もちろん全部吹けるようにはなってるんだろうな!?」

先生のジョークにみんな当然のように首を振る。横に。

「…。頼りないなあ、全部とは言わないまでも、半分以上は出来てないと。時間もないし。」

「ま~半分ぐらいは。」

私と恵が言えば、

「え~!まだ半分も吹けないよ!」

と、茜と莉奈が言う。

 恵は飲み込み早いし、私の場合はあまり難しいリズムがない。

「とりあえず、あわせてみるか。」

音合わせの後、演奏に入る。

先生に向かって右からファーストアルトの茜、セカンドアルトの恵、テナーの莉奈、バリトンの私となる。


アンサンブルに指揮は無いが、練習では先生が基礎となるリズムを刻んでくれる。

「3、4!」

タータッター(タラララタラララ)タータッター(タラララタラララ)タッターラタッターラターラタッタッタ♪

 あれ?

私は思わず心の中で首を傾げた。

 最初の一小節って私だけ?

今更気づくのも遅いのだが、なんだかイメージで、みんな一緒に入るもんだと思っていた。

「最初って私だけなの?」

思わず言ってしまう。

「そうだ。本番は他の3人の用意が整ったら、楓のタイミングで始めるんだぞ。」

 え~!出だしで変な音出たら死ぬな~。緊張するじゃん。