「うん?臭い…。」
さっきから気になっていたが、なんというか吹いてると異臭がする。
「楓!バリトンどう?」
莉奈が話しかけてきた。
「うん…なんか、臭い…?」
「あははっ!何それ!?ちょっと吹かせて?」
「うん。」
~♪
「本当だ!なんか臭い!」
「カビかな~?」
「ずっと吹いてなかったから?それにしても、嫌だね~。」
「イヤ~。
でも、しょうがない。そのうち慣れるでしょ。」
しかし…長年のものはちょっとやそっとでは落ちないというか、その日は少し気分悪くなりそうだった。
「まったくツイてない一日だなあ…」
帰りの道すがら、私と莉奈はあまり元気が無かった。
足が無く、重く、息を吸う度に異臭を放つ楽器。
しかし、まだ問題があった。



