吹いて奏でて楽しみましょう


 はぁ~、この分だと私も影でどう言われてるかわからないな…。

あさっての方を見ながら、途方に暮れる。

「楓?」

「へ?あ、何?茜。」

「なんか、ボーっとしてた?」

「あ、うん。ちょっと。」

「…私さ、莉奈達から避けられてる?」

 ええ~!?気づいてらっしゃるの!? さ~どう答えたものか…。

「なんで!?」

「なんとなく。」

と言ってため息をつく。

「そんなことないんじゃない?」

茜の落ち込んだ様子に、どちらとも捉えがたい回答をする私。

「私も帰ろっかな…。」

「え?」

「ごめん。帰るわ。」


 結局、一人だよ。

プー♪

 こういう時、トランペットの3人の仲の良さが羨ましいよな。

 でも、まてよ。トランペットの3人も昔なんか仲違いしたような噂があったな…。

 人間関係って一筋縄ではいかないんですね。


「茜、帰ったの?」

恵が来た。

「うん。なんか…気分悪いって。」

「もしかして気づいたのかな?」

「うん。たぶん。」

「…」


それから、何度となく茜の落ち込んだ様子を見たからか、あまり避けたりしなくなっていった。


最近は文句も聞かない。

少しずつ茜とみんなが普通に話すようになっていってホッとした。

 部活はこうでなくちゃね。