吹いて奏でて楽しみましょう


それがある意味、悪かったのかもしれない。


「何やってんの?」

茜がホルンの真弓と恵に言った。

2年になってから、真弓と恵は仲が良かった。

「何って、お腹がすいたからおにぎり食べてんの。」

練習時間はとっくに始まっている。

ひょうひょうと返す恵に茜は苦笑しつつ言う。

「先生来たらヤバくない?」

「え?ヤバいかな。うん、早く食べまーす。」


それが始まりだった。

大会やイベントに出るなどのはっきりとした目標のない練習。

気にする先輩がいない状態。

そして、新しい音楽室の快適さ。

中は涼しく、音楽も聴き放題。


最初は注意していた茜も友達にこれ以上 言ったら何かが変わると思ったのか、諦めたのか、一緒に乗り出した。


だんだんと楽器を持つ者はいなくなり、気がむいた時しか吹かない。

みな、音楽室でおしゃべりをするか、持ってきたCDを聴くかして過ごした。

しまいには、室内で野球までやり出す始末。


 この状態かなりヤバくないか?

そう思っていても、一人で練習はかなり浮いてしまうので、眺めているしかできない。

 先生に見つかったら、雷が落ちるだろうに。みんな心配じゃないのかな?私が小心者なだけ?


先生が来たら、見つからないうちに止めるという考えらしいが。


 見つかったら、部活停止、いや廃部もあり得るんじゃ…。


内心ハラハラしながら、この状況を楽しむことも、変える勇気も持てない私。


 なんか、つまらない。

外を見ながら、はあ~と自分とこの状態にため息を漏らした。