部活は夏休みに入り、まずは吹奏楽コンクールを聴きに行く。

受付で、しおりを渡された私達は、

「演奏を聴いて、どの学校が金、銀、銅をとるか、予想して書いてみ?」

という顧問のアドバイスを受け、割と退屈せずに真剣に聴くことができた。

「う~ん、ここは…銀…かな?」

「うわあ~ここ上手すぎ。絶対金だよ…。」

「九州大会派遣はここかもね。」

「でも、さっきのところも人数少ないけど、音がきれいでなかなか…」

「ここは銅だな…。」

「はー!?ここも上手い!」


各学校を聴き比べて予想屋をする私達。

結構ハマる。


そして、結果発表。

出てもいないのに、当たるかハズすかでやや緊張気味の私達。



『~中学校、
金賞!』

ワァッーー!!

後方から聞こえてくる歓声に拍手を送る。
と、同時に

「やった!やっぱり金賞だ!茜は?」

「私も!」

「やっぱりね~うまかったし。でも次のが微妙…」


『~中学校、
銀賞!』

キャー!!

ガッカリなのか、ヤッターなのかわからない歓声だが、とりあえず拍手は送っとく。


こうして、予想屋吹奏楽部は各学校の欄にペンを走らせていた。