ガシャーン ウィーン ドンドン ガガガガガガ …

授業中に鳴り響く工事の音。

私が1年の頃から続いているが、3年が卒業し、その校舎が取り壊されてから、工事は本格的になってきた。

最初の頃は、

ドーン ガガガガガガ
「先生、コレって騒音妨害ですよ~。うるさくて集中できない。」

「まあ、そう言うな秋には新校舎で勉強できるんだぞ。」

なんて会話がどこでもあったが、夏休みも迫ると慣れてきていた。

校舎も外見を見せ始め、期待が膨らむ。


「夏休み中に新校舎ができるはずだ。
そしたら、みんなで机とかいろいろ運ぶ為に登校してもらうから。」

「えー!?夏休みにですか?」

「机とかって、全部?イスもロッカーとかも?」

「黒板も?」

「いや、黒板は違う。でも机だけじゃなくて、家庭科室とか、音楽室とかの道具や図書館の本、各教室の机も運ぶから、みんなでやらないと大変だぞ。
一週間はかかるかもな…」

「うわ~ちょー大移動。」

「先生、この校舎取り壊すの?」

「そうだ。」

「なんか寂しいねー。ボロいけど。」

「じゃあさ、記念に落書きとかしてもいい?」

「あ?う~ん、そうだな。ま、一応話し合いしてからな。」



その後、物が無くなった旧校舎は、夏休み中、記念と称した、たくさんの落書きでうめつくされた。

黒板にはみんなの名前や書きたいこと、ありがとうの言葉など…。

それを見ていると、一つの時代が終わったような、妙な寂しさに包まれている感じがする。


それだけではなく、ガラスも割っていいということで、遠くから思い思いに石を投げ、ウさを晴らす者、「お疲れ様ー!」などと一言言って投げる者などそれぞれに、別れを告げた。