他に選択肢はなかった。

今の私たちには導いてくれる人が必要で、このまま不格好な楽器編成でも、何ができるわけでもなかった。


「また、戻れるといいけどね。」




翌日、各楽器が決められた。


サックス、金管はそのまま。問題は木管だ。


「クラリネットは2年の2人はサックスに行ってもらう。同じリード楽器だしな。あと一年の2人はトランペットだ。

フルートだが、香奈恵はそのまま残ってくれ。
で、一年の二人は、トロンボーンが誰もいないから、それに移ってもらう。

友子、教えてやってくれ。」


友子先輩はユンフォニュームだ。同じ金管なのでマウスピースを教えるんだろう。


 で、私は?


「楓は…まぁ、来年あたりにフルートに戻るとしたら、金管はマズいだろうし…フルートは一人でいいし…うん、やっぱりサックスだな。」


 やっぱり。
でも金管じゃなくて良かったかな。


サックスには茜もいるし。一人じゃないからいい。


ぶっちゃけ、金管も多少興味はあるけど。


フルートを吹く人は、金管の、唇を振動させる吹き方が癖になるといけないので、あまり金管は吹かない。


残りの男子一人は、ドラムセットになった。


清花先輩だが、最近は来ていない。

顧問も様子見、ということらしい。



大幅な楽器変更。
活動家たった14人での再出発だった。