- 楓ちゃん、久しぶり!手紙なかなか出せなくてごめんね。-

それは、5月の中頃に届いた聡美先輩の手紙の内容。


- うちの高校、想像以上に厳しくてさ。
朝5時から練習で放課後は夜の9時まで。
勉強も忙しいし、寮に慣れるのも時間かかって…。

本当になんでこの高校来ちゃったんだろう、って思うよ。
自分で選んだんだけどね。-



手紙の内容に私は驚いた。人一倍真面目で頑張り屋な先輩とは思えないことだ。


 聡美先輩でさえ、弱音を吐くほどに厳しいんだ。 怖っ。


それと、トロンボーンだった先輩は、楽器がいっぱいで他の楽器に移らされたらしい。


慣れない楽器に慣れない生活、そして厳しい部活動。



私はさっそく、励ましの返事を書いた。


どう書いたらいいのか、わからなかったけど。



でも、自分にも先輩と同じ運命が待っていた。