吹いて奏でて楽しみましょう



部活PR当日。


私達はいつも通り早めに来て、楽器のセッティングをする。


~♪~、あ…

「ん~やっぱり難しいかしら」

香奈恵先輩に最終チェックをしてもらっている。


そこに顧問が来た。

「ドレミファソラシドだけでもいいぞ。でもできるやつは簡単なメロディーぐらい吹いてくれよ。
とくに、トランペットとか。」


みんな困った顔をしている。


そして本番。


次々と各部による部活アピールが続く。


緊張ぎみだったり、笑いを取ったりみんな三者三様だ。


順番はくじで決まるらしい。


「次は…吹奏楽部さん!お願いします!」

司会者がくじを引き、部活名が呼ばれる。


「あ、はい!

じゃあ、行ってくるね。みんなお願いね。」

香奈恵先輩と友子先輩が楽器とカンペ持参で舞台に上がる。


私達に緊張が走り、じっと舞台上の先輩を見つめる。


舞台上の2人も緊張してるのがはたから見てもわかるのだが、

「みなさ~ん!こんにちは!吹奏楽部です!」

意を決したように笑いながら明るい声を出す。


香奈恵先輩はやっぱり一番度胸がある。それに、姉御肌だと思う。