吹いて奏でて楽しみましょう



三年生が退場して、私たちは後片付けにかかる。


実質これが“お別れ会”となるのだが、最後という気は感じあまりなかった。


しかし、ほんの数時間前に飾った飾り付けを外していると、なんだか…


「終わったな~。」


とつぶやいた。
そこでようやく現実味を帯びたようだ。


「もう先輩ともお別れなんだね…」


「やっぱ寂しいね。」


「今思えばかなり頼りになる先輩達だったし。」


「いなくなって大丈夫なのかな?」


「…」


「もう、それはしょうがないでしょ。」


茜が吹っ切るように言う。


「そうだね。」




少しの不安感と無事終わったという気持ちと、寂しさを残してその日は終わった。