先輩からの日記。

進路のことが書いてあった。


「福岡…福岡!?九州!?なぜに?」


何でもその高校にうちの中学が全盛期だった頃の顧問がいるらしい。


「へ~それにしても…」


 行くか?それだけのために?


その高校は今全国大会常連校らしく、先輩はその顧問の元で指導を受けるのが夢なのだそうだ。


「ふ~ん。すごいな~。やっぱ聡美先輩は行動力あるよな~。」


いつもクールな感じだが、内に秘めた情熱も並々ではないと、改めて感じた。


 絶対金賞とらないとね!


「あ、だからか…。」

先輩の言葉を思い出して、一人納得した。



 金賞取れるといいな。

私も心で応援する。


と同時に、

 私も来年か再来年そういうのに出ることになるのかな?


 想像もつかない。


 そして進路は…?


『成績が落ちて…』

琴子の言葉が蘇る。
結局、彼女は海の向こうへ行ったのだが。

 海といえば九州も海の向こうではあるな。


日記に、あまり会えなくなって寂しいけど…と書いてある。


確かに県内ならOB(卒業生)としてよく来れるが、県外だと難しいだろう。


というか、一人で県外に住むなんて寂しいどころじゃない。


「先輩達も受験生なのに頑張るよな~。」


中には、県内でも1、2の公立高校に行く人もいるのに、ソロコンやアンコンなんて…。



私にはやはり遠い話に思えた。