中は…

「うわ、真っ暗。」
怖いどころか

「何も見えない。」

「楓、大丈夫?
うわっ?何かさわられた!」

綾が私の心配したそばから叫ぶ。

「何?こんにゃく?」

「わかんない。何かサワサワしてる。うわっ!?」

「今度は何?」

「いきなり足捕まれた。」

「え?それ地味に危なくない?大丈夫?わっ!」

続けて私も足を捕まれ、こけそうになったのを壁に手をついて防ごうとしたら…


「あっ!」

壁がダンボールだった。

慌てて綾に捕まる。


「わたっ!楓!?」

「ごめん。私も足捕まれてこけそうになった。」


扇風機でなびいている割かれたビニールが不意に顔にあたる。

グロテスクな見た目の恐怖はないが、
視覚を奪われているため、不意打ちが意外と効果を出して、ビクッとなる。


加えて、ダンボールなどで狭く仕切られ、


「出口がわからない!」


教室で迷宮入り。


ドンッ

「わ!すいません。」

「いえ。あれ綾?」

他の客にぶつかり、綾を見失う。


「楓?こっち!え?どこ?」

「いや、わからん。あ、これ?」

薄い赤の証明で綾らしきシルエット見つける。