吹奏楽部の練習はいつも最後で、体育館の窓の戸締まりも手馴れたものだった。


2階の後方から演奏を聞いたりもした。


いつも近くで聞く自分達の演奏は遠くでは、全く違って聞こえる。

そして、意外と小さい。


「音を綺麗に出すのも大事だが、後ろまで飛ばすことも大事だ。

今回はいい機会だったろ?

お前たちはまだまだだが、もっと腹筋を鍛えて、いつも音を遠くに飛ばすイメージをしろ。」


それが、来年のコンクールにもつながる。と言う。


「コンクール会場はもっとでかいからな。
ここで小さいと思ったら、話にならんぞ。」



 確かに。でも来年この部はどうなることか。

いやいや、まだ半年あるし。