最初は小さな川のせせらぎのように静かに、緩やかに。
スッと息を吸うタイミングも皆と合わせ、慎重に音を紡いでいく。
あれ?
『ホールでは音楽室と違って音の響き方が違うからな。』
先生の言ったコトを思い出した。
そうか、ホールだとこんな響きをするんだ。
最初の演奏では余裕がなくて気づかなかったことがいろいろわかる。
さっきの冷えはどこえやら、照明が暑い。
汗で楽器が滑らないようにする。
クラリネットのソロ、続いてサックス。
低音楽器が刻む音がメロディーを吹く上でしっかりとした安定感を与えてくれる。
スネヤドラムの刻む鋭いリズム。
一瞬の静まり。
ホルンとの掛け合い。
トランペットの高音。
フィナーレ。
一つ一つ丁寧に、みんなの音を聞き、演奏していった。
みんな前とは違う。音がすごくきれいになってる。
素人の私でも思った。
短いような長いような時間だった。



