吹いて奏でて楽しみましょう



那覇市市民会館大ホール。


 は~まさかこの舞台に上がる日が来るとは思わなかったよな~。


大きな公園があり、県立図書館があり、このホールへも何度か入った事がある。

昔から知ってる会館。

だからか、緊張も少しほぐれる。


 でも、やっぱりいつもとはちょっと違う感じがするな。


今回私は、演者であり、回りは競い合うライバル同士だ。


辺りには、早速練習を始めている学校が多い。その光景が吹奏楽祭を思い出させて、


 あれからまだ2カ月しか経ってないのか。なんだか懐かしいな。


などと、一瞬思ったが、


「ねぇ、あの学校上手くない?」


サックスの子の言葉に注意を向ける。


なるほど、他の学校より音やリズムが合ってて、上手い気がする。


「本当だ…。」

「でしょ?あの学校飛び抜けてる。なんで予選に出ないんだろ?」


今日のプログラムに予選校は入ってない。


「あんなとこと競うのか…。」

「向こうの学校はあまり上手くないみたい。」

また別の所を指す。

「え、どこ?」

「ほら、向こうの木の下。」

「よく分からないけど、まーあそこよりは劣るかな?」

「え~うちの方が勝ってるよ。ね~ね~、」

他の子に話題を振り始めた。

 それにしても、

「よく、気づくね~。そんなとこ。」

私は感心して言う。
私なんかどっか違う方に頭が飛んでた。


「うんうん、耳いいよね。」

話しかけられた子も同意する。

「え~!?そんなことないよー。」



「そろそろホールに入るよ!」


話してる間に時間が来てしまった。
慌てて、みんなの後につく。